卒論の結論の例、教えます。
1.卒論の結論で書くべきこと
卒論の結論で書くべきことは、①自分が言いたい事、②これまでになかった新しい知見・発見や、あるいはこれまでの知見・発見よりも進歩した点(技術的な事、歴史的に分からなかった事、これまでは難しかった検証を工夫で簡素化できた事)③自分の研究結果の分析・考察から言えることを記載します。いきなり、文章で空白状態から執筆するよりは、以下の事をまず、列挙していくのか、まとめやすいコツです。
a.自分の研究内容で何か分かったのか。
b.その分かったことはどういったやり方で分かったのか。
c.その得られた結果は、これまでにない新しい知見であるか。
d.その知見、発見、結果は、他の論文とは違った方法で、例えば、他の論文とは簡単に、短時間で、安価に検証できる方法なのか
aは今までになかった新しい発見、知見を得たということになります。また、研究内容が来時代のニーズに合っているものであるかという点も重要です。もうその分野は枯れた分野、成熟して実用化領域に達している様な研究内容では、折角、論文の中身としては良いが、研究課題として、もう時代遅れとならない様に注意しましょう。
bはその発見・知見の検証方法を明確にしておくことを意味します。あなたの検証方法が正しいのか、その発見の信憑性が重要になってきます。この検証方法を明確にしておくことで、他の大学や研究機関が信憑性の検証を行なうかも知れません。その為に、必要な事です。
cは先行研究・先行結果でないか否かということを意味しています。こういった点は、自分なりに収集した参考文献で、どういった結果を得られているのか、何処までのことは明確化されているかを調べて、論文中に記載しておくことが重要です。
dは検証方法が同じでなくても、他の論文の結果・検証結果が同じであるということから、その結果の信憑性を高めることになります。これまでにも、新たな事の発見で、それが本当か否かのつい実験を行なったという様なニュースを聞いたことがあるでしょう。その意味と同じです。また、結果は同じであっても、検証方法が容易、短期間、安価な方法であれば、それは技術的に進化した検証方法という意味になり、例え、検証結果が同じであっても、新たな知見になり得ます。
こういったことを箇条書きであるいは、単純に文章で段落を変えながら、書いていくのが書きやすいでしょう。
2.参考文献の重要性
1.で記載した様に、自分の論文の結果に対する信憑性が問われるということが理解できると思います。信憑性をしっかりとさせるためには、信憑性のある、参考文献や引用文献の鉄論の前の章で、引用文献や参考文献を利用して、自分の研究目的や検証方法をしっかりと考えて、研究を進めていく段階で調査・分析しておくことが必要であることが理解できるでしょう。
3.今後の課題も記載
卒論は、人生で初めて書く論文である学生さんがほとんどでしょう。修士課程に進学している人であれば、卒論の経験や学会などでの口頭発表論文を書いた経験があるからです。また、卒業論文は一年間で、研究テーマ選定、研究内容精査、研究実行、卒業論文の執筆と初めてやるべきことが多い経験です。その為に、途中までしか当初の目標を達成できなかった事、検証が不十分になってしまった事、目標の要求精度まで達成できなかった事が出てきます。研究はこれまでになかった事、新しい技術への取組み、これまで不明だった事の証明等、未知の領域に取り組んでいると言っても過言ではないです。即ち、今後の課題は常に出てきます。こういった今後の課題も、自分の研究内容を踏まえ、自分なりに分析を加え、今後の課題として、書いておくことも良いでしょう。
4.具体的にはどう書けばよいか
上記に記載した様にやり方を記載しましたが、では具体例はどうなのかと思われる人や具体例で悩む人もおられるでしょう。そんな時は、他の大学等での卒論をインターネット上にアップされているものを見て見るのも良い方法です。
例えば、大阪府立大学 経済学研究科(引用URL http://www.eco.osakafu-u.ac.jp/zyoseishitsu/yusyuronbun2005/)では各年度の優秀論文をPDFファイルでアップされています。いくつかざっと見てみると、個人個人で、自分なりに工夫していることが分かります。箇条書きで列挙的に書かれているケースや箇条書きではなく、文章で書かれている論文もありますので、参考になるでしょう。あくまで、参考にするだけで、自分なりの文章で記載することに注意して下さい。単純なコピペはしない様に注意しましょう。
他にも、東洋大学 社会文化システム学科(引用URL https://www.toyo.ac.jp/ja-JP/academics/faculty/soc/dscs/thesis/2018bunkasotsuron/)でも優秀な卒業論文を各年度で、アップされています。
自分の研究分野や研究内容に近い大学、大学研究室でアップされているものがあるかを探すと、自分に近しい論文が見つかる可能性があります。GoogleやYahoo等の検索エンジンを使って、「卒業論文 結論 書き方 大学名 研究分野」等のキーワードで検索すると、非常に良い卒業論文が見つかる可能性があります。 こういったインターネット上にアップされている論文であっても、著作権保護されているものですから、文献として、利用する際は注意が必要です。