卒論の本論の書き方について

卒業論文にそろそろと取り掛かろうと、実験結果を整理したり、参考文献を集め始めていらっしゃる学部生も多いことかと存じます。今回の記事の内容は、学部生が卒論作成の中でもっとも時間を割くと予想される「本論」に着目した内容となっております。この記事を最後まで読んでいただければ、卒論における「本論」の位置づけ等を正しく理解するとともに、その正しい理解に基づいた「本論」作成の基礎を確立できると自負しておりますので、どうか最後までお付き合いの方よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

卒論における本論とは

 

本論の具体的な書き方の前に、皆様には卒業論文における本論の位置づけ等をご理解いただきたいと思います。

 

 

卒業論文の一般的な構成

 

卒業論文の一般的な構成としては、最初のページから順番に、表紙、要旨、目次、序論、準備、本論、結論、その他(参考文献、付録、謝辞など)です。また、本論に関しては、「研究の目的」、「研究の方法・手段」、「結果」、「考察」の4要素で通常は構成されています。

 

 

卒論における本論の位置づけ

 

前述した「一般的な構成」での記載でもお分かりのとおり、本論に関しては、「序論・準備」と「結論」を結びつける重要な部分であり、別名「BODY」とも呼ばれます。本論がいかに重要であるのかについては、本論を構成する4つの要素を見ても明らかでしょう。すなわち、「研究の目的」、「研究の方法・手段」、「結果」、「考察」であり、端的に言ってしまえば、本論だけでも卒業論文として成立してしまうほど重要な位置づけとなっております。それもあってか、卒論を指導される教官によっては、「本論だけ読んでも、この論文の内容のほとんどがわかるようにしなさい」とのご指導をされる方もいらっしゃるくらいです。

 

 

 

本論を構成する各要素の具体的な書き方

 

これまでの説明において、卒業論文における本論の位置づけ(すなわち重要さ)をご理解いただけたと思います。ここからは、先ほど紹介した本論を構成する4つの要素に関して、個別具体的にその書き方について解説していきます。

 

 

研究目的

 

「この研究によって、どんなことを解明したいのか」、「何を期待しているのか」という研究のゴールを記載します。ちなみに、この「研究目的」に関しては本論で最初に出現するわけではございません。実は、「序論」の段階でも出てきます。そうすると「研究目的はどうして序論と本論の両方で記載しなくてはいけないの?」などとの疑問を呈する学部生もいらっしゃるかと思います。結論を言ってしまえば、「序論」において記載する研究目的は卒論に関わる全ての研究や実験を包括した内容になっているのに対して、「本論」で記載するのは、卒論で実施する全ての研究や実験に対する個々の研究目的となっており、より具体的かつ明確な研究目的の記載が求められます。この研究目的については、研究を始める当初から定めておくべきものです。したがって卒論作成の段階で考えるようでは遅いのです。したがって、研究や実験に取り組む際に「どうしてこの研究を現在行なっているのか」ということを常に意識しておけば、研究目的の記載で迷うことはありません。言い換えれば、本論作成の段階では、これまで温めてきた「研究目的」を文章的な響きが良いようにアウトプットするだけに他ならないのです。

 

 

研究方法・手段

 

どのように研究や実験を行ったのかを具体的に記載します。ここでポイントとなるのが「再現性」を確保することであり、すなわち、「この箇所を読めば、だれでも同じ実験ができる」くらいに具体化させる必要があります。この「再現性」を担保すべく、一般的には、実験の手順や、使用した材料(器具・機器・薬品)、参考文献、分析方法(数式、シミュレーションモデルなど)、気象条件などを満遍なく記載します。ここに漏れがあると、「再現性」を確保できず、論文の質を落としてしまうことになりかねません。

 

 

結果

 

実験等の結果として得られたデータ等を整理して取りまとめます。一般的には、表、図やグラフなどを駆使して、第三者にも理解しやすいように工夫する形で取りまとめていきます。この際、結果の取りまとめはあくまでも「作業」であり、決して主観などを交えないように心がけてください。意図しないデータが出てきたとしても、決して削除や無視などをすることのないようにしてください。この意図しないデータこそが、この研究の重要な発展につながる可能性があるからです。

 

 

考察

 

考察においては、「結果で示したこのようなデータから、このように解釈することができる」との卒論執筆者の主観的な表現が必要となります。ただし、いくら主観的であるとは言え、だれもが疑問を呈するような解釈は控えてください。例え話として、地球上の全リンゴを調べた結果のデータとしては、「90%が赤色、10%が緑色」だったにもかかわらず、「地球におけるリンゴに関しては、青色リンゴが中核をなすと考察される」などとすることです。

 

 

さいごに

 

いかがだったでしょうか。卒論における本論の重要性を理解するとともに、この本論の書き方について何かしらのヒントが得られたものと推察します。この記事がこれから卒論を執筆されるであろう多くの学部生にとって有益なものになれば、これに勝る喜びはございません。今回も最後までご覧いただき本当にありがとうございました。

また、卒論については、↓コチラのサイトも、とても参考になります。

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