卒論の「背景」ってどう書くの?
卒論の「背景」ってどう書くの?
研究の成果や考察などを文章として記述するとき、必ず含まれなければならない要素が「背景」「目的」「意義」です。
とくに背景は、「なぜその研究をしようと思い至ったのか」という「動機」であり、すべてにおけるスタートラインとも言える重要なポイントです。
そのため背景の説明は、「序論の部分で最初にはっきり示しておく」のが大原則です。
たとえば卒論のテーマが、「大卒者のベンチャー企業設立における、出身学部と高度成長分野の相関性」だとします。
すると背景は、「卒業後にベンチャー企業を設立した本校OB○○人に話を聞いたところ、「ある分野で成功を収めた企業の創立者がいずれも同じ学部の出身」であった事実を知り、専攻学と得意分野の関係性を明確なデータとして導き出すための研究に至った」といったようなものになります。
これは卒論に限った事ではありませんが、「論文や会社の書類を書くのに『背景』と『目的』の違いがわからない」という疑問を持つ人がいます。
先に述べたように、背景とは「そこに至るまでの経緯」であり、目的は「そこで目指す最終的なゴール」ですから、これさえしっかりと意識できればとくに悩む必要はないでしょう。
例に挙げた卒論で示すなら、「大学卒でベンチャー起業を目指す人が、自身の出身学部を根拠とした有望分野の選択を明確に意識することで 好ましい業績を上げるための一助としたい」といったものが目的となります。
この背景という単語は、刑事もののドラマでもよく耳にします。
「事件の起こった背景は…」などのセリフがそれで、これはつまり「被疑者が事件を起こすに至った成育環境や、社会生活における不満点」などといった動機のことです。
そして目的に該当するのは、「幼少期に虐待を受けた親への復讐」であったり、あるいは「会社の資金を使いこんだ上司への社会的制裁」となったりするわけですから、背景と目的には明確な順序があり、それらはひとつの流れのなかで「出発点とゴール地点」というはっきりした違いがあるのです。