卒論は30ページ書くのが普通なのか?
卒業論文の執筆に向けて、ページ数設定に頭を悩ませているのではないでしょうか。多くの先生(あるいは大学)から「30ページ程度」と指示されるケースが多いようですが、果たしてこの数値をどう受け止めればよいのか、判断に迷うところです。
卒論は30ページ以上書く?
卒論のページ数については、一般論を述べるのは非常に難しい面があります。それはなぜかと言えば、研究分野や大学、さらには指導教員によって、求められる内容や水準が大きく異なるためです。例えば文系と理系、専門分野の違いでも、適切なページ数は大きく変動してくるはずです。
しかしながら、卒業論文というジャンルの特性から、一定の目安を立てることは可能と言えるでしょう。概して30ページ前後が最低ラインであり、40ページから60ページ程度が妥当な範囲と考えられています。
まず、30ページという最低ラインについて考えてみましょう。卒業論文では、冒頭で研究の背景と目的を明示し、具体的な方法論を示した上で、調査結果を提示し、考察を加えることが求められます。さらに序論と結論の部分も不可欠の要素です。こうした構成要素を全て備え、一定の主張を展開するには、最低でも30ページは必要不可欠なのです。
しかし一方で、説得力のある卒論、より掘り下げた内容を望むのであれば、それ以上のページ数を要することは避けられません。40ページから60ページ程度であれば、卒論として一定のまとまりのある構成と、充実した内容を期待できるはずです。
60ページを大きく超えてしまうと、逆に冗長になり、主旨があいまいになってしまう恐れがあります。卒論はあくまで簡潔で的確な主張が何より重視されるジャンルであり、一定の分量に留める必要があるのです。
つまり、指導教員から「30ページ程度」と指示された場合、最低でもそのページ数は確保した上で、40ページから60ページ程度を理想的な範囲と心得ておくべきでしょう。執筆に当たっては、自身の主張を明快に展開できる適切な分量を、じっくりと見極める作業が欠かせません。
分量をめぐる判断は簡単ではありませんが、焦らずに落ち着いて取り組めば、必ず自身なりの答えは見つかるはずです。指導教員の意向を汲みつつ、腰を据えて卒論執筆に臨んでください。読み応えのある内容豊かな卒業論文が、きっと形にできるはずです。
卒論は学生生活の集大成であり、言うまでもなく、質が何より大切です。しかし同時に、適切な分量を確保することで、はじめて自身の主張を存分に展開することができます。分量とクオリティのバランスを絶妙に保つことが、卒論の完成度を高める鍵となると言えます。