文系の卒論、引用ばかりでも大丈夫なのか?

文系の卒業論文執筆において、「引用」をどの程度取り入れるべきかは、大きな悩みの種になりがちです。引用の多用は、自分の考察が不足しているように映ってしまうことから危惧される面があります。しかし一方で、適切な引用は論旨の説得力を高めるためには欠かせない要素なのも確かです。このジレンマをどう解消すべきか、ここで改めて整理してみたいと思います。

文系の卒論の引用について

まずは、論文における引用の役割を再確認しましょう。引用とは、自身の主張を補強したり、根拠を示したりする際に、他者の言葉を借りて使うことを指します。自説を展開するだけでなく、第三者の見解を提示することで、論旨に客観性と信頼性を持たせることができるのです。

しかし、単に引用の量を重視するのではなく、質とバランスが肝心です。過剰な引用の羅列は避ける必要があります。論文は基本的に、自身の主体的で理路整然とした考察が中核をなすべきものです。他人の言葉に頼りすぎて自分の主張があいまいになり、真に自分の力を発揮できなくなってはなりません。

そこで極めて重要になってくるのが、自分の主張と引用との上手な使い分けです。自説を明確に打ち出した上で、それを補強する形で引用を適宜、配置していくのが賢明な方法と言えます。例えば、「○○という現象については、××の影響が大きいと考えられる。なぜなら、権威ある○○(著者名)は『…』(引用)と指摘しているからである。」といった具合に、自説と引用を組み合わせていきます。自分の論旨は根幹に据え、引用はそれを下支えする役割を担うのです。

引用の質にも気を配る必要があります。専門家や権威ある文献からの適切な引用ほど、論旨の説得力は増します。安易に量を重視せず、自身の主張との関連性を考慮しつつ、慎重に吟味して使用するべきです。研究対象に沿った的確な引用こそ、卒論の価値を高める一助となるはずです。

また、文系の論文では、注釈や参考文献のスタイルが定められていることが多いので、それらの形式規則を確実に守る必要があります。形式に習熟し、引用元を適切に示すことで、論文の信頼性を担保できます。

質と量のバランスを意識し、自説との関連性を吟味しながら、目的に応じて引用を活用することが何より肝心なのです。自身の主張を貫きつつ、適切な引用により論旨を力強く補強することができれば、それこそが文系卒論の最良の姿と言えるでしょう。焦ることなく、腰を据えて執筆に取り組んでください。

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