卒論の脚注ってどう書くのが正解なの?
卒論の脚注ってどう書くのが正解なの?
脚注とは、本文中で他人の言葉や文章などを引用した場合にその出典元を明示する、あるいは別途詳細な解説などを必要とするときに書くものです。
書籍や論文などからの引用であれば、まず引用書きした部分の文頭から文末までを「」(一重括弧)でくくり、末尾に脚注番号を示します。
そして脚注は、「引用を含んだ文章が区切りをむかえる頁の下部に箇条書き」とし、「本や論文のタイトルと著者名」、「書籍の出版社や論文が掲載された会誌などを発行した学会」、そして「引用文が載っている頁番号(数ページにわたるなら「○頁~△頁」など)」をしめすことで、どの文章をどこから引用したのかをわかりやすく明示するのです。
たとえばこのような文章で、ある書籍の文章を引用するとします。
…楽しいはずの海水浴で、いつも冷や汗をかかせてくれるもののひとつが“フナムシ”だ。
清々しい海風わたる青空の下、好奇心旺盛な著名作家にすら「フナムシ…いなくてもいいのにいる。(注1)」などと斬って捨てられるような多足生物がカサカサと這いずりまわる光景は…
文中の「」の部分が、脚注を付記すべき引用と脚注番号です。
そしてこの文章が第2章だった場合の脚注は、第3章が始まる前の頁下部に「注1.清水義範「おもしろくても理科」(講談社)、126頁から引用。」のように出典を明記します。
次に「詳細な解説を書くべきケース」についてですが、これはいうまでもなく「読まれる相手にその言葉や文章の意味を注釈なしで理解可能な知識がない」ことを想定して書くものですから、卒論を査定する見識豊かな教授にむかって「大学レベルの授業で習う専門的な語句やセオリー」などをわざわざ説明する意味はないのです。
卒論を査定する教授の専門が経済学であれば、その人物には見識がうすいと思われる他分野でのキーワードや俗説などを脚注する、といったような使い方をするのはよいでしょう。
卒論でわざわざ脚注付きの解説を要するような事例としては、たとえば、東大卒の麻雀プロ・井出洋介氏が卒論として書いた「麻雀の社会学」において、「教授とはいえ趣味で麻雀をたしなむ人間にしかわからないと思われる麻雀のルールや定説」などに限られます。
つまり卒論の脚注は、基本的には「他者の言葉を借りた時に盗用とならぬためのルール」なのであり、説明としての脚注は「学外や学生レベルの範囲でのみ通用するローカル知識などに限られる」と覚えておけば、まず問題ありません。