卒論が出せなかった。こんなときはどうなってしまう?
さまざまな理由で卒論の提出ができない事態になってしまうことは、珍しいことではありません。締め切りに間に合わず、形を整える暇もないまま期限を迎えてしまった、といったケースです。
このような想定外の事態に見舞われた際、多くの学生が不安に駆られることでしょう。「卒論が出せなかったら、どうなってしまうのだろう?」と途方に暮れてしまいます。本記事では、そんな失態に陥ったときの対処法と影響を解説します。
単位の修得は危ぶまれる
まず断っておかなければならないのは、卒業論文が提出できなかった場合、その単位の修得ができなくなる可能性が高いということです。
卒論は必修科目であり、一定の単位が課されています。この単位さえ修得できなければ、卒業要件を満たせません。つまり、卒業が危うくなるのです。
ただし、大学によってはある程度の猶予期間が設けられていたり、再提出のチャンスがあったりする場合もあります。いずれにせよ、単位修得の目処が立たなくなるリスクは非常に高くなります。
就職活動への影響も危惧される
就職活動中の学生であれば、卒論の無submission(提出漏れ)が内定への悪影響を及ぼす可能性もあります。採用企業は学生の成績を重視しており、卒論が未提出であれば「学業に身が入らない」と判断されかねません。
内定が持ち越しになるリスクはもちろん、場合によっては内定そのものが打ち切りになる可能性もあるのが恐ろしいところです。就職活動は卒業論文作成と並行して進めていくものですから、一方の失敗が他方に直撃する危険性は非常に高いと言えます。
大学側の事態対処が不可欠
学生ひとりで済ませられる問題ではありませんから、大学の教職員によるフォローアップと適切な対処が欠かせません。
例えば以下のようなフォロー体制が期待できます。
- 未提出の連絡を受けた上での指導教員の対応
- 学部長や研究科長による事態の確認と指示
- 事務局によるスケジューリングの立て直し
特に指導教員の果たす役割は大きく、未提出事態に至った背景を詳しく把握した上での指導が欠かせません。
一方で、学生個人にもできることはあります。提出期限の延長願いを早めに申請したり、再提出のスケジュール案を組んだりするなどの対処が求められます。
最悪の事態を回避するために
結論として、「卒論が出せなかったら、すべてが終わる」というわけではありません。上記のようなリスクは伴いますが、大学と学生双方で適切な対応を取れば、何とか卒業自体は回避できる可能性が残されています。
しかし、そのためにはある程度の条件が課されます。例えば、以下のような条件が付されることでしょう。
- 次年度の特定時期に卒論を提出すること
- 一定の単位を別途取得すること
- 口頭試問や課題レポートの提出を求められること
つまり、卒論提出の機会は設けられるものの、追加の條件が課されるわけです。卒業そのものを諦める必要はありませんが、それなりの努力と労力は避けられません。
無論、卒論の未提出は深刻な事態と言えます。しかし、それでも対処の機会は残されています。学生自らが強い意志を持って立ち向かえば、卒業という目標は決して手の届かないものではないはずです。