卒論でニュース記事って引用していいの?

卒論制作において、ニュース記事の扱いについて不安を感じている人も多いのではないでしょうか。ニュース記事を参考文献として引用することの是非については、賛否両論あり、適切な取り扱い方を誤ると、せっかくの卒論全体の信頼性を大きく損なう恐れがあります。

ニュース記事の引用はOK?

基本的に、ニュース記事は一次資料としてではなく、あくまで二次資料として扱われます。つまり、記者が取材したある事件や出来事を、自らの言葉で再構成し伝えたものにすぎないということです。このため、ニュース記事そのものの信憑性や客観性には必然的に一定の限界があり、論文の主要な根拠資料とするには不十分と見なされがちなのです。

しかしながら、一方で多くのニュース記事では、第三者の専門家のコメントや統計データなどの一次資料が盛り込まれていることも事実です。こうした部分に関しては重要な証拠資料として扱うことができ、論文の中で十分に活用できる余地があるわけです。

このように、ニュース記事の中には、一次資料としての信頼できる部分と、二次資料としての主観が介在する部分が混在している、といった性質があるために、卒論で引用する際には特に細心の注意が必要とされるのです。

具体的には、まずニュース記事の信頼性をできる限り慎重に吟味することから始める必要があります。マスコミ報道における偏りや、記事作成者の主観の過剰な介入など、その客観性や中立性に何らかの疑義があれば、引用の際に注釈を付すなどの対応が求められます。

次に、ニュース記事の中から、第三者の専門家によるコメントや統計データなど、一次資料として信頼できる部分のみを抽出し、引用に用います。一方で記者の主観的な解説などの二次的な部分は、引用対象から避けるべきでしょう。

更には、可能な限り複数のニュース源から情報を収集し、偏りのないバランスの取れた記述を心掛けることが重要です。一つのニュース源のみに頼ってしまうと、偏った情報に頼らざるを得なくなり、論文の公平性が損なわれかねません。

最後に、ニュース記事を引用する際は、その引用があくまでも補助的な位置づけであり、主要な根拠としては使用していないことを明確にしておく必要があります。例えば「ニュース報道によれば…」といった書き出しで、ニュース記事の引用であることを表明するのがよいでしょう。

このようにニュース記事の引用には、多くの細かい注意点があり、専門書籍や学術論文ほどの重みは置けません。しかしながら、適切な使い分けと言及の仕方次第では、卒業論文の中で重要な補助的な情報源となり得るでしょう。

卒業論文執筆は並大抵の努力では成し得ない大変なプロセスですが、ニュース関連の記事引用の取り扱い一つひとつを丁寧に、かつ緻密に検討していけば、必ずや優れた論考へと導かれるはずです。

また、卒論については、↓コチラのサイトも、とても参考になります。

レポートセル.com

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