卒論で「グラフ」はこのように使う!グラフの使い方
実験やデータ分析の結果を視覚的に表現するツールとして、グラフの活用は欠かせません。しかし、グラフを単に載せるだけでは意味がありません。適切な種類のグラフを選び、わかりやすく正確に情報を伝える工夫が必要不可欠です。ここではグラフを効果的に使うためのポイントを解説します。
グラフの種類と特徴
まずは主要なグラフの種類と、それぞれの特徴を理解しましょう。
棒グラフ・円グラフ
構成比や集計値の比較に適しています。円グラフは全体に占める割合が一目でわかる利点がありますが、データ量が多いと読みづらくなります。
折れ線グラフ・面グラフ
時系列データの推移をわかりやすく表せます。折れ線は変化の仕方が一目でとらえられますが、面グラフは累積量の比較に向いています。
散布図
2つの変数間の相関関係を可視化でき、回帰直線を重ねてその傾向を示すことができます。
ヒストグラム・箱ひげ図
データの分布を確認するのに適しています。ヒストグラムは連続データ、箱ひげ図は離散データの分布状況を的確に表せます。
このように、グラフの種類によって得意・不得意があります。分析の目的や扱うデータの性質に合わせて、適切な種類を使い分けることが重要です。
効果的なグラフ使用の7つのポイント
次に、卒論の中でグラフを効果的に使うためのポイントを7つ挙げます。
1. 目的と伝えたい情報を明確化する
グラフ作成に入る前に、そのグラフで何を伝えたいのかをはっきりと意識することが大前提です。目的があいまいだと、適切な種類が選べません。
2. わかりやすいデータラベル・単位の設定
グラフにラベルを設定する際は、説明的な言葉を使い、読者にわかりやすい表現にしましょう。単位の設定も正確に行い、グラフの解釈を誤らせないようにします。
3. タイトル・凡例の工夫
グラフのタイトルと凡例を記載する際には、冗長にならず的確に内容が伝わるよう工夫が必要です。簡潔だが分かりやすい表現を心がけましょう。
4. 目的に応じた適切な種類のグラフを選ぶ
先ほど説明した通り、種類によってグラフの得意・不得意があります。目的に合った最適な種類を選び、的確にデータを伝えましょう。複合的な目的の場合は組み合わせるのも手です。
5. 色使い・デザインにも配慮する
グラフには色分けやデザインの工夫が効果的です。しかし、あまり華美にしすぎると却って本来の情報が伝わりづらくなります。シンプルで見やすいデザインを心がけましょう。
6. 本文と有機的に連携させる
グラフだけ見ても意味が分かりづらい場合は、本文と有機的にリンクさせることが重要です。本文で詳しく説明したり、グラフの解釈をわかりやすく補足したりする必要があります。
7. 不要なグラフは排除する
卒論の中で本当に必要なデータだけをグラフ化すべきです。それ以外の、あまり重要でないデータのグラフは、却って煩雑になり読者の理解を妨げてしまう可能性があります。
このように、グラフを活用する際は、目的やデータの性質、わかりやすさなど、様々な観点から検討する必要があります。ただ書き連ねるのではなく、的確に情報を伝えられるよう工夫することが肝心です。
グラフ作成ツールの選び方
最後に、グラフ作成に使うツールの選び方について触れておきましょう。
WordなどのOffice製品には標準でグラフ作成機能が備わっていますが、専門的なグラフを書く必要がある場合は、さらに高度なツールが必要になる場合があります。
例えば統計解析ソフトのRやPython、Adobe Illustratorなどがあげられます。これらは自由度が高く、デザインのカスタマイズ性に優れている反面、操作が難しい面もあります。
そのため、卒論でグラフを頻繁に使う場合は、専門的なツールにも手を染めておくとよいでしょう。一方で、そこまで使わない場合は、Officeのボタンひとつであらゆるグラフが描けます。
目的や用途に合わせて、費用対効果を考えながらツールを選ぶことが重要です。ツールを使いこなすには、ある程度の操作練習と時間が必要ですので、執筆期間に余裕を持って準備することをおすすめします。
まとめ
- グラフには様々な種類があり、目的に合わせ使い分ける必要がある
- タイトル、ラベル、色使いなど、わかりやすさに配慮した工夫が重要
- 本文と有機的に連携させ、不要なグラフは排除する
- グラフ作成ツールは用途や費用対効果を考えて選ぶ
- 適切でわかりやすいグラフの使用が、卒論の完成度を大きく左右する
卒業論文において、分析結果を視覚的かつ的確に伝えることは極めて重要です。そのためにグラフの活用は欠かせませんが、上手にグラフを使いこなすには上記のようなポイントを意識する必要があります。