卒論、再提出になった場合の悲劇と対策
せっかく書いた卒論が再提出になった場合の悲劇は、最悪せっかく決まりかけていた進路が卒論のせいで取り消しになってしまうということです。
卒論は本来指導教員の指導のもと、執筆をするはずですし、卒論と口頭試問の前に中間発表もあるはずです。いくら論文がうまくかけていたとしても、それらに出席するのも卒論の単位を取るのに必要であるはずですし、その都度指導教員から指導があるはずです。
指導教員に何度も見せておきながら卒論が再提出になるというのは最悪の事態になった場合(再提出の期日に間に合わなかったなど)、指導教員がその学生の進路もひっくるめて責任を取るということを意味します。
これは指導教員にとってある意味重たい決定です。
再提出=卒論の単位がないとすぐに決めつけるのはよくありません。
あきらめずに研究室の指導教員のところに行って指導を仰ぎ、卒業できるくらいにまで精度をあげましょう。
そうはいっても卒業論文の再提出はないに越したことはありませんし、卒業論文の内容をどうするかというのを早めにめどをつけておくのにも越したことはありません。
卒論の時期と就職活動の時期が重なってしまうというのが日本の大学生の宿命のようなものでもあります。
先に進路が決まっていないのに卒論のことは到底考えられないと思うかもしれません。
とはいえ大学卒業にほぼ必要な条件は卒論である以上(卒論がない学部もあるようようですが)卒論はおろそかにできません。早めに着手しましょう。
卒業論文を執筆するにあたり、テーマを決め、先行研究をあたる必要があります。
テーマは決まっていなくても先行研究は読んでおいたほうがいいでしょう。
むしろ卒論のテーマは決まっていなくても、先行研究を普段から読んでおくとどういう分野の研究が自分がやりたいのかというのも見えてくるからです。好きな分野の論文はどんどん読んでいきますし、そうでない分野は次第に読まなくなります。
卒論に限らず研究者にとって先行研究の分析は大切です。先行研究をたくさん当たり、
これまで同じ分野の研究者がやっていないものを見つけ、自分なりに研究を進めていく必要があります。
ただ論文を読めばいいというのではなく、これまでの通説や研究史を説明できるように整理しておけるようにしておきましょう。
先行研究は権威のある研究者が執筆したものから、研究者の卵である博士課程の研究者が書いたものまで
山ほどあります。どれをあたればいいのかわからないという場合は、研究室の指導教員に自分がやりたい分野の研究で読んでおいたほうがいい文献について聞くといいでしょう。
また自分で調べる場合は「cinii」や「webcat」という論文や文献データベースを活用する方法があります。
集めた論文や文献の脚注にのっている文献を当たるのも大いにありです。
最新の研究にあたりたいのであれば文献より論文を多く当たったほうがいいと言われています。逆に研究史を整理したいのであれば文献のほうがいいでしょう。
それから卒論のテーマの方向性が見えてきたら研究のもととなる一次資料やフィールドワークができそうかどうかを検討します。古代史のように残っている史料が限定されている場合はどれを使うのか、また古い一次資料にあたったり、外国の文献を参考にする場合は正確に読む技術も要求されます。自分の力量で読めるのかどうかも確認しましょう。
フィールドワークをする際も、いきなり行くとうまくいかない場合があるので(いくら研究目的とはいえ、いきなり来られたら迷惑に思う人もいます)、研究室の指導教員と相談しながら行いましょう。
だいたい文系の論文だと2万字~4万字程度の論文を書くようにという指示があるはずです。
短くても長すぎても論文はよくありません。短いのは内容がないわけですし、長すぎるのは自分なりに情報をまとめきれて
いないということを意味します。よく一生懸命な学生ほど長く書くのですが、読む側の立場で考えると、長いというのも
何を言いたいのかわからないのです。
大まかな論文の章立てとして「序論、本論、結論」というのがあります。
序論では問題設定、論証の仕方、用いる資料を紹介し、自分が卒論で何を主張したいのかを明確に書きます。
問題設定では先に挙げた先行研究の分析が大きくものを言います。
序論と言いつつ、既にきちんと自分の中でどういうことを言いたいのかをはっきり書かないといけません。
そのため序論は一番最後に書くという人もいます。
本論は一次資料やフィールドワークをどのように行ったのか、それによりどのような結果が導き出されたのかを読む側に伝わるように書きます。
結論は論文全体の要約と、何がどこまでわかったのかを書き、残された課題はどのようなものかを書いておきます。
残された課題というのは卒業論文で検討した研究課題であまり十分に検討していない点について重点的に書くといいでしょう。
またいざ先行研究の分析もしっかりできて、しっかり一次資料にあたることができたとしても論文の言い回しをどうすればいいのかわからないということもあります。論文の書き方に関する本は多く出ているので参考にするといいでしょう。
そのほかにも卒業論文を書くのに気を付けたいのはパソコンのデータが消えてしまうということです。
当日に仕上げて提出するというのは無謀ですし、書いていると気が付かない誤字脱字もあります。
バックアップはこまめに取っておくのと、論文提出1日前は漏れがないか確認する一日にしたほうがいいです。